「今治市がすすめる獣医学部の新設」に対する 日本共産党今治市委員会の見解をご紹介します

今治市がすすめる獣医学部の新設に対する党の見解(6月市議会終了を受けて)
日本共産党今治市委員会

6月市議会を前にした時点で、日本共産党今治市委員会は、国家戦略特区を活用した岡山理科大学獣医学部(加計学園が運営)の建設について、「(まともな真理探究をめざす)大学の誘致なら賛成できるが、公平公正が疑われる戦略特区認定や、市補助金算定の根拠となった建設費用(192億円)を究明すべし」との方針で臨みました。

6月市議会が終わり、国会や市議会での論戦を通じて、加計学園の岡山理科大学獣医学部の誘致には、多くの疑問や不安が国に対してだけでなく、今治市に対しても生じている状況があります。
この状況をふまえ、6月市議会を総括する機会に、「獣医学部誘致の現状をふまえ、日本共産党今治市委員会としては、今の疑惑が解明されないままでは賛成できない」との見解を、その内容とともにここにご紹介いたします。

国における加計学園問題の本質は何か

第1は、安倍首相による「国政の私物化」という国家的重大事態の問題です。
森友学園問題でも加計学園問題でも、真相究明に対して、安倍政権はあまりにも不誠実で逃げ腰です。
肝心な問題にはまともに受け答えができていません。
各種の世論調査でも、国民の7割以上が「説明責任を果たしていない」と回答しています。
妻や友人が関係する問題について、疑惑解明のために、国民の前で妻や友人に堂々と説明させる責任が安倍首相にはあります。
それをさせない限り、疑惑は解消されません。

第2は、民主主義の根幹であり、公平公正であるべき教育行政が、本当に歪められたかどうかという実質的問題です。
京都産業大学が恣意的に不当排除されたこと。
その排除に文部科学省が加担させられたこと。
単なる加担だけでなく、排除による便宜供与にも加担させられていることです。
当然に、その結果は、既存の全国の16の獣医学部にも影響することです。
「岩盤規制の突破口にする」といいながら加計学園だけを規制緩和の対象にするという新たな規制を作り、事実上の空白地域(新潟を含む北陸、北近畿や、南近畿など)を無視したことは重大です。

また、今回の事件によって、本来は厳正な審査を行うべき文部科学省所管の大学設置・学校法人審議会の権限が制約され、審査に不当な圧力がくわえられた可能性が出てきたこと(認可をおろすことが前提となっている)。
本来なら膨大な資料を提出すべき申請関係書類などでも、今回の加計学園に対する特別扱いが、過去・現在・未来の設置申請に対して不公正な制度運用を行っていることを示すものになっていることが、重要視されます。

第3は、日本の政治の「モラルハザード」という政治倫理上の問題です。
加計学園を優遇し、京都産業大学に不利益を作ったことは、公正公平であるべき諮問会議の準則と岩盤規制の排除を掲げる国家戦略特区の基本方針にも反します。
なぜ加計学園だけを採用し、京都産業大学を排除したのか。
「岩盤規制に穴を開ける」と言いながら、加計学園だけを合格させる新たな規制を作った不合理についての釈明がありません。
だから、神戸での講演で安倍首相は「獣医学部を全国に広げる」などという、新たな矛盾を言い立てたと見られているのです。
こうした「国政私物化」のモラルハザードを引き起こした、国民不在の安倍首相の政治責任は重大です。
 
今治市長は率先して疑惑解明に協力すべきー国会の証人喚問にも応じるべき
【「国政私物化」に、今治市も利用されていないのか?】
 
さて、それでは申請した側の今治市はどうでしょう。
今治市にも疑惑が生じています。
市に対する疑惑の第一は、今治市は安倍首相の国政の私物化に、深く関与していたのではないかという疑惑です。
2015年(平成27年)4月2日に、市の担当者(企画課長と企画課長補佐)が官邸で柳瀬唯夫・現産経審議官(当時の首相補佐官)に会っていたという問題です。
この面談で、安倍首相の「腹心の友」が経営する加計学園のための国政私物化に、今治市が利用されたことの一つではないかとの疑念を市民は抱いています。
「疑惑がない」のなら、当時の事実関係について市は公表すべきです。 

また、市の資料情報を今頃になって「非開示」にするのではなく、積極的に開示して市民とともに事実関係の解明に協力すべきです。
また、これら会合の内容も、積極的に開示すべきです。
国家戦略特区の認定基準が示される2016年11月9日の前日に、翌日の諮問会議に提出予定の資料を、事前に受理し、市の担当者や議会関係者が保持していたことが明らかになっています。
これは、今治市と加計学園が特別扱いだったことを意味しています。

さらに、その約1ヶ月以上前には、今治市は加計学園から現地(当時は市開発公社の所有地)のボーリングの掘削調査の申請を受け、今治市は議会の承認を得て許可を与え調査させていました。
さらに昨年12月には、戦略特区に応募予定の事業者の要請を受け、電力供給の仮申請を代わりに行っており、決定前から今治市が開学準備を進めていたことも判明しています。
特区認定の前に、これらのことが次々と行われていたという事実は、内閣府の「加計ありき」の対応と同様に、今治市が情報を受けて対応していたことを示しています。
今治市が当事者としてどう考えて行動していたのか、市民に釈明すべきです。

【高額な工事費用と、特定私学への高額負担は妥当なのか?】

疑惑の第二は、工事費用や財政的な問題です。
工事費用の192億円の建設工事費のうち、施設費用は148億1587万円余で、延床面積は3万2528平方メートル(約9,857坪)です。
これなら工事の坪単価は150万3081円(端数切捨)という超高額です。
設備費も一括で41億7498万円ですが、高額にもかかわらずその内容は不明です。

また、地方自治体の費用負担についても、建設費用全体の2分の1を、県と市が1対2の割合で分担すると説明されています。
今治市は今年3月3日の市議会で、64億円の支出を可決させました。
これほどの金額を私学に支出することは、今治市や愛媛県が他の私学との間の処遇面で、大きな格差を生じることになりますが、公平・公正であるべき教育現場での処遇問題をどう解決しようとしているのでしょうか。

加計学園が経営する千葉科学大学や倉敷芸術科学大学の経営の困窮が伝わっています。
今治での獣医学部新設は加計学園の失地回復の一手と考えられています。
財政的に苦しい加計学園の経営戦略に、今治市が今後、長期にわたり巻き込まれるような危険性はないのでしょうか。
今でさえ、今治市は多額の借金(約1千億円の市債)を抱えています。
新たに約100億円もの費用を私学へ投入することに、少なくない市民が不安を口にしています。
それが将来にわたって、今治市が獣医学部の経営に、深く関わらざるをえなくなる可能性(尻拭い)はないと言いきれるのでしょうか。
こうした危惧もあるのです。

【研究室の病原菌対策は大丈夫?】

疑惑の第三は、病原菌対策への不安です。
安倍首相は国家戦略特区を活用した獣医学部新設の理由について、「鳥インフルエンザ」等、国際的に高度な獣医師養成の必要性について触れています。
これらの経緯からみて、BSL(バイオセーフティーレベル)3にとどまらず、将来はBSL4の危険度の高い病原体まで扱う可能性があります。  
鳥インフルエンザでも危険ですが、それ以上のアフリカで猛威をふるった危険性の高いエボラ出血熱(コウモリなどが主な媒体)なども、新設の獣医学部の研究室で扱われる可能性が将来的にはありえることです。
すでに長崎大学の周辺でも、地震などによって病原体が外部に拡散することなどを恐れて反対運動が起きています。
そんな危険性の高い病原体を研究目的で扱う獣医学部が、市民の暮らす住宅地の近くに来ることを知れば、はたして周辺住民を含めて、今治市民は納得できるでしょうか。
こうした不安に市はどう答えるのでしょうか。

市長も「国政私物化」には反対すべき

以上3点の疑惑解明が急がれます。
国会では、加計孝太郎氏や菅市長の証人喚問の意見などが出ています。
市長は積極的に参加して、「国政私物化」の疑惑解明の立場で事実解明の先頭に立つべきです。
疑惑解明への真摯な姿勢がなければ、真実探求が原点であるべき大学の「誘致」などはありえません。疑惑解明に背を向けたままの獣医学部の新設に、日本共産党今治市委員会が賛成できないのは明らかです。
今後も国会での「国政私物化」の疑惑追及を注視しながら、今治市での疑惑解明に全力をあげる決意です。 

以上

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